サッカーのゲームでは、一人の選手がボールを直接扱う時間は非常に短いものです。
しかし、残りの時間は、何もせずにしていればいいわけではありません。
練習を通して、味方や相手のポジションを考もとに、自分のいるべきポジションを考えられるようにならなければなりません。
つまり、一人一人が常にポジショニングを考えながらプレーしなければならないのがサッカーなのです。
1.ポジショニングの基本的考え
一人一人の選手は、何を基準にして自分のポジションを考えればよいのでしょうか。
ピッチの中には、22人の選手と1つのボールによってゲームが展開されます。
サッカーは、得点を競う競技という特性上、ボールとゴールとの関係性と22人の選手のポジションが重要となってきます。
つまり、ポジショニングの技能を上達させることは、ボールを扱う技術の上達と同様に重要なものといえます。
ディフェンスにおいてのポジショニングから考えてみましょう。
まず、考えることは、ボールをゴールに入れさせないことです。
ボールを持った選手が、直接ゴールに向かうことができないように、ボールとゴールを結ぶ線上にポジショニングする必要があります。
次に、ボールの近くの選手をマークすることが必要です。
攻撃側からすれば、パスコースを作り出すことが必要であり、ディフェンスからすれば、逆にパスコースを作らせないようにすることが望まれます。
危険な選手から順に対応できるようなポジションを組んでディフェンスをしていくことが大切です。
ミッドフィルダーのポジショニングではどうでしょうか。
攻撃に限ってみていきましょう。
攻撃では、相手のマークに対して、パスコースを作らないと攻撃を続けることは難しくなります。
パスコースは、多ければ多いほど選択肢も増え、チャンスも大きくなります。
2.ポジショニング理解のための練習方法
ポジショニングは、攻撃と守備の2つの場面を分けて考えていくのがよいでしょう。
ポジショニングを理解していくためには、チームとしての戦術を加えた、練習が必要です。
グリッド内での3対1では、パスを回すときの「パスコース」を生み出すための動きを練習します。
4対2で、攻守一人ずつ増やすことで、攻撃側の動きと守備側の動きの選択肢がそれぞれ増えてきます。
このような練習で、ワンプレー毎に対応したポジショニングを学ぶことができます。
さらに、ハーフコートでの5対4で、攻撃側の数的優位の状態での攻撃・守備の練習をしましょう。
攻撃側は、数的優位を生かして、パスコースを作りながらシュートまで持っていきます。
守備側は、守備の優先順位を意識しながらシュートを打たれないようにします。
選手一人一人が適切なポジショニングができるよう味方同士で声を掛け合いながら行うようにしましょう。
紅白戦を行い、試合と同じ条件で練習をしながら、ポジショニングを確かめることも、当然必要です。
ゲームを通して、チームの選手全員が、サッカーのポジショニングについての認識を共通理解できるようにしたいものです。