小学生のサッカー上達のための練習メニューは、何を目指して行えばよいのでしょうか。
中学生年代までに、サッカーの何を身に付けておけばよいのかを基準に考えてみましょう。
1.小学生年代で身に付けておきたいこと
小学生は、ゴールデンエイジといわれて、特に「神経系」の発達が著しく進む時期です。
サッカーでいえば、この時期にいろいろな技術を習得しておくことがサッカーの上達に欠かすことができません。
逆に言えば、中学生になってから、技術練習を始めるのでは、手遅れかもしれません。
また、最近の小学生は、外遊びの機会が少なく、いろいろな運動や体の動きを経験することが多くありません。
サッカーに限らずスポーツにおいては、土台として様々な動きができることが上達への近道ですが、スポーツの低年齢化の影響で、幅広い運動経験をしている子供は減っているのが現状です。
昔は、鬼ごっこであったり、木登りであったりと、全身を使う遊びに慣れ親しんだ時代とは様子が変わっています。
そのため、小学生は、幅広く全身を使う技術とサッカーの基本的技術を獲得するための練習メニューが組まれることが主になっています。
2.具体的練習メニュー
全身の調整力を高める練習メニューとしては。
馬跳び、馬跳び&またくぐり、手押し車、ケンケン、スキップ、ラダー、ミニハードルなどの種目を、いろいろなゲーム性や競争を入れながら楽しく行うようにする。
グリッドを使った、鬼ごっこ。いろいろなルールや道具を使って、アレンジしながら鬼ごっこを行うようにする。
サッカーの基本技術を高める練習メニューとしては。
ドリブル力を高める練習として、
①ラインまでに一番速くドリブルで到達したら勝ち。
②コーンを置いて、ジグザグにドリブルして、ラインまでドリブルする。(左右のインサイド、ア
ウトサイド、足の裏、フリーなど条件を変えながら。
③グリッドの中に、一人が一つボールを持って自由にドリブルしながら、他の選手のボールを蹴り
だします。最後まで、ボールを持っていた選手がチャンピオン。
パス力を高める練習として、
①2カ所に分かれて、対面でパスをします。相手の足元に正確にパス。横に動いた選手の足元にパ
ス。パスをしたら、パスをした方のグループの後ろに走って移動する。
②3カ所に分かれて、右回り、左回り順にパスをして、そのままダッシュして移動する。
③グリッドを使った3対1でのパス回し。パスコースを作るように動きながらパスを回す。
④3対1に一人ずつ増やして、4対2でのボール回し。パスコースとスルーパスも狙うようにする。
シュート力を高める練習として、
①ゴールに向かってドリブルをしてシュート。コーンを置いて、ジグザグドリブルをしてからシュート。
②ゴール横から転がしてもらったボールをシュート。
③横から転がしてもらったボールをシュート。
④グリッド内で、ミニゴールをつけた2対1。シュートチャンスが多くなるので、確実にシュート
を入れるようにする。
ゲーム力を高める練習として、
①ミニゲームを2チームに分かれて行う。グリッドは、人数に合わせて広さを決める。ミニゴールを
置いて、キーパーはつけない。
ミニゲームは、攻守の切り替えが速く、狭いスペースでのプレー精度やスピーディーな判断や素早いプレーが養われるので、練習に積極的に取り入れたい練習です。