サッカーのゲームでは、足でボールを扱うための技術は、欠かすことができません。
同時に、技術を生かすための頭脳と身体能力も必要不可欠なものです。
では、身体能力を向上させるための「フィジカルトレーニング」はどのようなことを行えばよいのでしょうか。
1.フィジカルトレーニングとは
サッカーを語るうえで、「フィジカルトレーニング」という言葉を耳にすることがあると思います。
「日本人はフィジカルが弱い」とか「もっとフィジカルを鍛えなければ」というように、使われています。
では、「フィジカル」とは、いったい何を指しているのでしょうか。
「フィジカル」は、「身体」「肉体」という意味を持つ言葉です。
サッカーにおいては、「体の強さ」や「持久力」などを指してつかうこともあります。
「フィジカル」=「身体能力」と考えればよいでしょう。
つまり「フィジカルトレーニング」とは、身体能力を向上させることです。
では、サッカーにおいて、「身体能力」のどの部分をトレーニングすればよいでしょうか。
個人個人で鍛えたい身体能力は違いますよね。
最近、脚光を浴びているのが、「体幹トレーニング」です。
「体幹トレーニング」もフィジカルトレーニングの1つです。
日本代表の長友選手が取り入れていて、有名になりました。
「体幹トレーニング」は、体の中心(体幹)にあるインナーマッスルを鍛えることで、安定してぶれない体を作り上げることができるそうです。
サッカーでの、走りやキック、ターンなど様々な動きの中心は、体幹から生まれると考えられています。
また、キックのスピードが増したり、競り合いにおいても、当たり負けをしない安定したプレーにもつながったりという効果があります。
つまり、体幹トレーニングによってサッカーの技能が上達するということです。
以前は、「インナーマッスル」ではなく、「アウターマッスル」だけを鍛えて筋肉を肥大させることが、競技力の向上につながると考えられていましたが、考え方が変わってきています。
「インナーマッスル」「アウターマッスル」の両方をバランスよく鍛えていく練習メニューが理想だといえます。
筋肉を鍛えることで、安定感や強さが得られます。
しかし、それだけでは、技術を十分に発揮させることはできません。
体の柔軟性を高める練習メニューも必要です。
ストレッチによって、関節の可動域を広げるようにしなければなりません。
試合中は、ピッチを走り回って得点を争う競技なので、スピードや持久力を高める練習メニューも必要とされます。
サッカー選手は、「柔軟性」「パワー」「スピード」「持久力」などの「身体能力」をバランスよく向上させていくことが大切で、サッカーの上達には欠かすことができないものです。
そして、それらを向上させていくのが「フィジカルトレーニング」なのです。
2.サッカー上達のためのフィジカルトレーニング
では、実際の練習メニューの中で、フィジカルトレーニングをどのように取り入れていけばよいのでしょうか。
まず、練習の最初は、ストレッチによって体の柔軟性を向上させます。
練習でのけがを防止することにもなります。
続いて、「体幹トレーニング」で、体幹を鍛えたり、ラダーやミニハードルを使ったスピードを向上させたりするトレーニングを行いましょう。
「アウターマッスル」を鍛えるトレーニングは、別メニューで行います。
このあと、ボールを使った技術練習を行います。
基本技術から、グループ戦術、ミニゲーム、紅白戦など、ボールを使った練習を行うとよいでしょう。
最後に、「持久力」を向上させるトレーニングを行います。持久走やインターバル走など、心肺機能を高める練習を行います。
最後に、ストレッチを行って終了とします。
基本的なチーム練習を紹介しました。
いつも同じではなく、その時々の状況で練習メニューは変わってきますが、練習を通して「技術」「身体能力」をバランスよく向上させていくことは、サッカーの上達に向けて欠かすことができません。