ジュニアサッカーは、小学生年代が主役となるものです。
育成年代のスタートとなるジュニアの選手たちには、どのような練習メニューによって、サッカーの上達を目指せばよいのかを考えていきましょう。
1.子供は小さな大人ではない
近年、ジュニアサッカーの現場では、きちんと指導者が存在して指導が行き届いている点と、親や周囲の大人たちが、「勝利」を求めて過熱気味なかかわりが見られます。
ジュニア年代の子供たちは、心身共に発育過程にあり、日々成長しながらサッカーに関わっていきます。
心身の発育は、人間としての共通した発達特性と一人一人の個人差とが絡まりながら成長していきます。
子供たちは、大人に比べて小さいです。大人と同じボールでは、ひざの辺りまでボールが来てしまう子供もいます。
そして、心身の機能も発達途上です。
指導者や周りの大人は、そのことをしっかり心に刻んで、ジュニアサッカーと向き合うことが大切です。
サッカーは、チームスポーツですが、試合が始まったら、自分で考え、判断をしながらチームメイトと協力することが求められます。
ジュニア年代の子供たちには、言われたとおりにやることではなく、豊富なアイデアを持って、自分で適切な判断やプレーができる必要があります。
今の場面では、どういうプレーをしたらよいのか。なぜ、今このプレーを選択したのかがはっきりと表現できることが望ましいです。
指導者が、一方的に指示を与えたり、行ったプレーに対して否定したりするべきではありません。
今、なぜそのプレーを選択したのか、ほかにもこういう選択肢があったのではないか、などについて指導者と選手が話し合うことが、子供の成長につながるのではないでしょうか。
サッカーは、失敗をするスポーツです。失敗から学ぶことが練習の目的ではないでしょうか。
ジュニア年代は、神経系の発達が著しく完成に向かう年代です。
この時期に、たくさんの技術を習得するための練習メニューをこなして、サッカーの上達を目指したいものです。
さらに、行っている練習は何を目的としてやっているのか、どうしたら上達するのかを自分で考えられるような投げかけを指導者側は心がけたいものです。
2. 練習メニューへの取り組み方
ジュニアサッカーでは、サッカーの基礎的トレーニングが練習メニューに多く取り入れられます。
たとえば、対面でのパス練習で考えてみましょう。どうやったら正確に相手にパスを送ることができるか。
パスされたボールは、どうやって止めればいいのか。
どこにボールを止めるようにすると次のキックにスムーズに移れるのか。
指導者が、すべて説明してしまえば、子供は言われたままで練習に取り組みます。
しかし、体の動きや感覚は一人一人違っています。
自分で考えながら練習する余地も与えてあげなければ、指示待ちの選手の集まりになってしまいます。
サッカーでは、ゲーム形式での練習メニューも必ず必要になります。
日本のサッカーが抱える問題として、「得点力不足」「自己判断力不足」「ゲームを読む能力、駆け引きの能力が弱い」などが課題となっています。
4対4のミニゲームや8対8のゲームなどの練習メニューを通して、上記の日本サッカーの課題にも取り組めると素晴らしいです。
そして、指導者や周囲の大人たちは、子供たちの上達へのよき支援者として、ジュニアサッカーに関わっていきたいものです。